英語の歴史(ラテン語やフランス語からの借用語はどうして多い?)

英語の歴史(ラテン語やフランス語からの借用語はどうして多い?)
はてなさん
はてなさん

英語には、ラテン語やフランス語からの借用語が多いけどどうして?

YOYOゆり
YOYOゆり

英語が形成されたイギリスの歴史に関係があるよ。

次の表にザックリとまとめてみたから見てみてね。

「英語の歴史」画像のPDFはこちら

YOYOゆり
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舞台は現在のイギリス・ブリテン島だよ。

元々ブリテン島にいたのはケルト系の人たちだったんだけど

ラテン人(ローマ人)の侵攻があって、紀元後43年には、ローマ帝国の属州になったんだ。

ローマ帝国の衰退とともに409年にはローマ人も撤退していったんだよ。

そこへ、ゲルマン民族の大移動によってゲルマン人の一派が海を越えて

ブリテン島に居住するようになっていったんだ。

449年  アングロ・サクソン人がユトランド半島(現在のデンマークあたり)からブリテン島に侵入し、古英語(Old English:450年~1100年頃)が形成され始める。この時期、アングル人(西方系ゲルマン人の一種族)、サクソン人(北ドイツ低地で形成されたゲルマン系の部族)、ジュート人(西方系ゲルマン人の一種)が主要な部族として登場する。
597年 ローマ教皇から伝道の為に派遣された聖アウグスティヌスが、アングロ・サクソン七王国( Heptarchy、ヘプターキー)の一つであるケント王国に到着し、キリスト教を広める。これによりラテン語の影響が強まる。
793年 ヴァイキング(※1)による侵攻が始まり(ブリテン島東岸のリンディスファーン修道院(※2)が襲撃された)、古ノルド語(8世紀から14世紀にかけて、スカンディナヴィア人やスカンディナヴィア出身の入植者たちによって用いられていたであろう言語を指す)が古英語に影響を与える。
(※1)ヴァイキング:スカンディナヴィア半島やデンマークを原住地とするゲルマン人の一派でノルマン人
(※2)リンディスファーン修道院:北部イングランドのキリスト教化が始まった地として知られている。
1066年 ノルマン・コンクエスト(ノルマン征服)が発生し、ウィリアム征服王がイングランドを征服。フランス語が支配階級の言語となり多くのフランス語由来の単語が英語に流入。一方、庶民は依然として古英語を使用。(フランス王国の諸侯であったノルマンディー公ギヨーム2世(ウィリアム)がアングロサクソン人王の支配下にあったイングランド王国を征服し、ウィリアム1世として国王に即位したことで成立した。「征服王」(the Conqueror)と呼ばれるウィリアムがノルマン人の後裔だったため、ノルマン王朝と呼ばれる。)中英語(Middle English:ノルマン・コンクエスト以降~1450年頃まで)
1154年 英国王ヘンリー2世(ノルマン朝第3代(在位:1100年 – 1135年))が即位し、法廷や行政で英語の使用が徐々に復活する。(法廷用語はフランス語とラテン語
1348年   黒死病(ペスト)が流行し、社会構造に変化をもたらす。これにより労働者階級の地位向上とともに、英語の重要性が増す

1362年 英国議会で初めて英語で開会演説が行われ、以降、法廷用語も英語となる。

1476年 ウィリアム・キャクストンがウェストミンスターに印刷所を設立し、英語の標準化に影響を与える。(近代英語:Modern English:1450年頃~1900年)
1755年 サミュエル・ジョンソンによる『英語辞典』が出版され、標準的な綴りや用法が確立される。
20世紀 英米間で言語的な違いが顕著になり、アメリカ英語とイギリス英語の分化が進む。特にアメリカ合衆国の影響力拡大とともに、米国式英語が世界中で広まる。(現代英語:Contemporary English:20世紀以降)
はてなさん
はてなさん

長い歴史の中で、その時代時代にブリテン島に住む人たちの影響で

英語は作られてきたんだね。

YOYOゆり
YOYOゆり

英語は、今や世界中で話されているし、”ことば” だから、刻々と変化を続けているんだよね。